ウエディングベールの意味
ウエディングベールは、挙式時に使用する顔や頭を覆う薄い布のことで、ウエディングドレスと一緒に取り入れることが多いアイテムです。まずは、ウエディングベールそのものが持つ意味、挙式中の儀式におけるウエディングベールの意味、この2つについてそれぞれ解説します。
ウエディングベールが持つ意味
ウエディングベールは古代ギリシャ・ローマ時代から始まった風習。諸説ありますが、「顔を隠すことで花嫁を悪魔から守る」という魔除けの意味があると言われています。挙式の際にウエディングベールをかぶってバージンロードを歩くのも、自分の身を守った状態で新郎のもとへと行くためです。
ウエディングベールを使った儀式
挙式では、ウエディングベールを使った儀式があります。それが、ベールダウンとベールアップです。
儀式 |
内容 |
ベールダウン |
挙式の前に、母親が花嫁のベールをおろす儀式。 娘を守る、という意味。
|
ベールアップ |
新郎がベールを上げる儀式。 ふたりの間にある壁を取り払う、という意味。
|
最近では、ウエディングベールを上げてキスをすることが、「妻になった」ことの象徴となっています。
ウエディングベールを取り入れたコーディネートのコツ
ウエディングベールを取り入れる際は、ドレスや小物すべてを含めたコーデのバランスを考えることが大切です。ここでは、トータルコーデを成功させるコツを解説します。
1.理想の花嫁姿をイメージする
最初に、「可愛い」「エレガント」など、自分が理想とする花嫁姿をイメージしてみます。イメージを持つことでアイテム選びの方向性が分かり、統一感のあるコーデに仕上げられるでしょう。
次に、想い浮かべたイメージに合わせたウエディングドレスを選びます。可愛らしいイメージならプリンセスライン、クラシカルなイメージならAライン、エレガントなイメージならマーメイドラインがぴったりです。
2.ウエディングドレスを基準にウエディングベールを選ぶ
ウエディングドレスが決まったら、そのデザインに合わせてウエディングベールを選びます。ウエディングドレスの美しさをより際立たせるベールを選びましょう。
3.アイテム選びの順番を考慮して1つずつ決めていく
身に着けるアイテム選びは、ウエディングドレス→ベール→髪型→アクセサリー→グローブの順で行いましょう。一度に全部のアイテムを決めようとせず1つずつ決めていくことで、コーデがちぐはぐになることを防げます。
ウエディングベールの種類・長さと選び方のポイント
ウエディングベールといってもその種類はさまざま。ここでは、ウエディングベールを「種類」と「長さ」の2つの視点から紹介します。併せて、選び方のポイントも押さえていきましょう。
【種類】フェイスアップタイプのベール
フェイスアップタイプは、折り返して二重に畳まれているベールです。ベールダウン・ベールアップの儀式を挙式で取り入れたいのであれば、このタイプを選ぶと良いでしょう。髪型は、高い位置で髪をまとめるアップスタイルがぴったり。さらに、ティアラやコサージュなどを着けるのもおすすめです。
【種類】フェイスアップしないタイプのベール
頭からすっぽりとかぶるフェイスアップしないタイプのベールは、顔にベールが被らないのが特徴。そのため、ベールダウン・アップの儀式はできません。ベールを使う儀式を行わない場合、または顔を出して表情をしっかり見てもらいたい場合や、人前式に向いているウエディングベールです。
頭からベールをかぶることになるので、髪を高い位置でまとめると、バランスが崩れやすくなってしまったりベールが外れやすくなることもあります。そのため、低い位置でのまとめ髪がおすすめ。また、身に着けるアクセサリーは極力シンプルにし、頭頂部には着けないようにしましょう。
【長さ】ショートベール
ショートベールは背中くらいの長さのウエディングベールで、カジュアル寄りでキュートな印象を作れます。背中や腰部分にあるドレスの装飾をキレイに見せられるでしょう。また、カジュアル寄りの結婚式とも相性抜群です。裾を引きずらないので、ガーデンウエディングにも取り入れられますよ。
合わせる髪型は、ロングスタイルならアップにするのがおすすめ。ショートボブなどの短めスタイルにも合います。その際、アクセサリーは控えめにするのがポイントです。顔周りがすっきりして、全体のバランスが取れます。
【長さ】ミドルベール
ミドルベールは、お尻くらいまで長さのあるウエディングベールです。どんなドレスとも相性が良い定番スタイルで、キュート・エレガントのどちらのイメージも叶います。ただし、うしろ側にキレイな装飾があるウエディングドレスには不向き。せっかくの装飾がベールで隠れてしまいます。装飾を見せられるように、裾に装飾があるウエディングドレスを合わせてみましょう。
ミドルベールは、対応している挙式スタイルが幅広いのも特徴です。ベールが床につかないので、ガーデンウエディングにも取り入れられます。
髪型は、シニヨンやお団子スタイルなどがおすすめです。ふんわりとしたスタイルにすることで、華やかな印象に仕上がります。また、頭の真ん中から下くらいの低めの位置で髪をまとめれば、落ち着いた大人可愛い印象です。
【長さ】ロングベール
ロングベールは、ドレスよりも長いタイプのウエディングベール。うしろ姿の美しさを強調できるのが魅力で、大人っぽい印象のドレスとも相性抜群です。裾を引きずって歩くので、ゴージャスかつエレガントな雰囲気を出せます。また、ロングベールは装飾が施されたものが多いため、格式高い結婚式にも取り入れられますよ。
髪型は、低めシニヨンなど低めの位置でのまとめ髪にしてみてはいかがでしょうか。気品溢れる落ち着いた印象に仕上げられます。
【なりたいイメージ別】ウエディングベールのデザインと特徴
ウエディングベールの種類と長さについて理解したら、デザインも詳しくみていきましょう。ここでは、なりたいイメージ別におすすめのアイテムを紹介します。
【キュート】バルーンベール ・フラワーベール・ドットベール
デザイン |
特徴 |
バルーンベール |
・ふんわりとしたシルエットでキュートな印象。
・可愛いデザインのドレスや、定番のプリンセスライン・Aラインのドレスとも相性が良い。
・ティアラを控えめにして、ベールの位置を低めにすれば大人っぽさをプラスできる。
・ショートヘアとの相性も抜群。
|
フラワーベール |
・花の刺繍があしらわれたもの。
・ドレスの柄が活かせるような装飾位置のものを選ぶと良い。
・プリンセスラインのドレスと相性がぴったり。
|
ドットベール |
・水玉模様の可愛いデザイン。
・プリンセスラインなどのドレスと相性が良い。
・ドットが小さければエレガントに、大きければ可愛い印象になる。
|
【エレガント】カッパベール・金糸ベール・ビーディングベール
デザイン |
特徴 |
カッパベール |
・ベールに手を通す羽織タイプ。 ・手の動きに合わせてベールが優雅になびき、エレガントな雰囲気を作れる。
・肌が露出するデザインのドレスの場合、ベールで肌を隠せる。
・ボリュームが控えめのドレスにぴったり。
|
金糸ベール |
・金糸の刺繍が入っている。
・エレガントかつゴージャスな雰囲気。
・光沢のあるドレスとの相性が良い。
|
ビーディングベール |
・キラキラと輝くビーズがあしらわれている。
・ドレスの装飾やデザインと合わせることで統一感を出せる。
・ボリュームが抑えられたドレス・光沢のあるドレスとの相性が良い。
|
【クラシカル】マリアベール・ジュリエットベール・バードケージベール
デザイン |
特徴 |
マリアベール |
・輪郭に沿うデザインで神秘的。
・エンパイアタイプなどのシンプルなデザインのドレスに合う。
・会場によっては着けられない場合もあるので、着けても良い会場かどうか事前に確認する。
・シンプルなまとめ髪と相性が良い。
|
ジュリエットベール |
・後頭部に被る、顔を覆わないタイプ。
・クラシカルな雰囲気。
・アンティークなデザインのドレスと相性が良い。
・ナチュラルな髪型とぴったり。
|
バードケージベール |
・鳥かごのようなデザイン。
・クラシカルで上品な雰囲気。
・短めのドレスやAラインタイプなどの、シンプルなドレスと相性が良い。
・髪型をアップスタイルにすれば視線を上にでき、スタイルアップ効果が狙える。
|
ウエディングベールの活用アイディア
たくさん考えて選んだウエディングベールを、結婚式で1回しか使わないのは少しもったないですよね。ここでは、ウエディングベールを上手に活用するアイディアを紹介します。
ベビードレスへリメイクする
子どもが生まれたときに着せられる、ベビードレスなどへのリメイクが可能です。自分のことを守ったベールが、今度は赤ちゃんを守ってくれることでしょう。
サムシングフォーのアイテムにする
ウエディングベールを「サムシングフォー」のアイテムにするのはいかがでしょうか。「サムシングフォー」とは、結婚式において、古いもの・新しいもの・借りたもの・青いものの計4つのアイテムを身につければ幸せになる、という言い伝えのことです。人が使ったベールは「古いもの」「借りたもの」にあたります。身近な人で結婚式を挙げる人がいる場合、ぜひその人に貸してあげましょう。
ウエディングベールについて知り、素敵なコーディネートを
ウエディングドレスと一緒に身につけるウエディングベールは、種類やデザインが豊富。コーディネートを決める際は、ベールの種類やデザインを知るとともに、ドレスやヘアスタイルとのバランスを考えることが大切です。ぜひお気に入りのウエディングベールを見つけて、理想の花嫁姿を実現させてくださいね。