結婚資金の予備知識
婚約、結婚式、ハネムーン、新婚生活など、結婚する時はさまざまな出費を考える必要があります。ただし、結婚が決まるともらえるお金も多いので、予想より負担額が少ないと感じることもあるでしょう。まずは、結婚にかかる費用の相場や結婚資金の内訳、結婚にまつわる費用を支払うタイミングから紹介します。
結婚費用の平均は469万2,000円
結納・婚約~新婚旅行までにかかる費用を結婚費用と考えた場合、平均金額は総額469万2,000円となり、400~500万円未満がボリュームゾーンです。結婚費用の詳しい内訳を見てみましょう。
※平均金額は「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020」調べ
【婚約】
<結納>22.7万円
<顔合わせの食事会>6.5万円
【指輪】
<婚約指輪>35.7万円
<結婚指輪>2人分 25.1万円
【結婚式】
<挙式・披露宴・ウエディングパーティの総額>362.3万円
【新婚旅行】
<お土産代を除く2人分の旅行費用>65.1万円 (+お土産代11.6万円)
※平均金額は「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020」調べ
さらに、結婚後は新生活がスタートするので、新居に引っ越しをする場合の引っ越し代、家具、電化製品などの費用がかかることもあります。そのため、結納・婚約~新婚旅行までの金額に、50万円~100万円を上乗せして見積もっておくと安心です。
結婚資金は「ふたりの貯金+もらえるお金」
「結婚資金=ふたりの貯金+もらえるお金」と考えるのが一般的。結婚費用をすべて負担する必要はなく、ご祝儀や両家の援助金などである程度カバーできます。カップルの貯金額、もらえるお金、自己負担額(=結婚費用の総額-もらえるお金)の平均金額はそれぞれ下記の通りです。
【カップルの貯金額の平均】311.8万円
【もらえるお金】
<ご祝儀の平均>227.8万円
<親や親族からの援助金の平均>172.1万円
【自己負担額の平均】154.6万円
※平均金額は「ゼクシィ 結婚トレンド調査2020」調べ
援助金の金額によっては、貯金ゼロで結婚式を挙げられることも。また、職場の福利厚生や加入している健康保険組合、自治体からお祝い金が出て、もらえるお金にプラスできる場合もあります。
まとまった事前支払いがあるならブライダルローンも検討を
先に紹介したデータを見ると、貯金へのハードルが少し下がったと感じるカップルもいるのではないでしょうか。しかし、ご祝儀や両家からの援助金を受け取る前に、まとまった支払いが発生するケースもあります。そんな時は、結婚資金の調達先としてブライダルローンを検討してみるのも良いでしょう。
これは、結婚式当日に受け取るご祝儀で、ある程度の返済を行うことを想定しているローン。挙式・披露宴、結婚指輪、婚礼衣裳、新婚旅行、家具家電、住宅の入居など、使い道が結婚資金に限定されており、低い金利・一括で借りられるのが特徴です。
結婚式に参列するゲストからご祝儀を事前に受け取ることはできませんが、結婚式の会場費などを事前支払いする必要があった際にブライダルローンを活用すると、スムーズに支払いを進めることができるでしょう。
支払いのタイミングは異なる
結婚に関する費用は一度に全額支払うわけではないので、計画的に準備を進めることが可能です。支払い時期や金額の目途を見ながら、貯蓄や支払いのプランを立てましょう。支払い時期は下記が目安です。
【婚約に関する支払い(結婚式の1年~半年前)】
・結納、顔合わせ食事会の費用
【結婚式準備に関する支払い(結婚式の1ヵ月~半年前)】
・結婚式場との成約時に支払う内金(支払いタイミングは結婚式場により異なる)
・結婚指輪の費用
・ペーパーアイテムや動画制作の費用(結婚式場以外で作成した場合)
【結婚式に関する支払い(結婚式の2~3週間前または当日)】
・受付の謝礼、ゲストのお車代、宿泊代
・結婚式費用の残金(結婚式当日にいただいたご祝儀での支払いが可能な場合もある)
【ハネムーン(予約した時~出発の3週間前)】
【新生活(入居時~)】
・新居の敷金、礼金など契約にかかるお金
・引っ越し代
・家具、家電代など
結婚資金の貯金計画を立てるコツ
結婚資金の貯金計画を立てる時は、費用の分担方法を最初に決めておき、目標額と貯金期間を明確にすることが大切です。ここでは、結婚資金の貯金計画を立てるコツを紹介します。
費用の分担方法を決める
あらかじめ、結婚費用にかかるお金の分担方法を決めておくとスムーズでしょう。お互いが納得できるように計画するのがコツです。両家で分担する際は、結納や顔合わせの時、会場を決定した時など、早い段階で決めておきます。費用の分担方法については、下記を参考にしてみてください。
①互いに半分ずつ用意する
②一方がお金を多く用意する
<例>
・新郎の収入が新婦より多い場合、新郎が結婚費用を多めに負担する。
・同棲中の生活費を新郎側が多く負担している場合、結婚費用は新婦側が多めに支払う。
③両家の招待客の比率に合わせて負担する
※招待客が多ければその分ご祝儀額が増えるので、それに合わせて支払額を増やす。
④結婚式の項目別に支払いを分ける
<例>
・衣裳代は各自負担、共通項目は折半する。
目標額と期間を明確にする
目標額と期間を明確にしておくと、貯金のモチベーションアップにつながります。
【目標額の決め方の例 ~結婚費用の自己負担金200万円を折半する場合~】
自己負担金200万円-ふたりの現状の貯金額150万円=目標額50万円
【貯金期間の決め方の例 ~貯金期間1年、目標額50万円の貯金プラン~】
50万円÷12ヵ月=@4.1666 1ヵ月当たり約4万1,700円を貯蓄する
3年後、1年後、入籍してから6ヵ月後の結婚式まで、といったようにゴールを設定し、貯金の期間を決めるのがコツです。目標額と貯金期間を明確にし、貯金プランを立てることで、結婚費用に関する不安が解消されるでしょう。
結婚資金をふたりで貯める方法
毎月一定額を積み立てるのが、結婚資金を貯めるための確実な方法です。その他、日々の出費を抑えたり、ふたりで同棲したりして出ていくお金を減らし、貯金に回す方法も。また、不用品を売却して結婚資金に充てるのも1つの方法です。ここでは、結婚資金を貯める方法を4つ紹介します。
毎月一定額を積み立てる
毎月コツコツと一定額を積み立てていくのが、結婚資金の王道の貯め方です。「毎月3万円ずつ」など決めて、定額を先取り貯金しましょう。ボーナス月は多めに貯金する、給料天引きで簡単に下ろせないようにする、普通預金口座とは別の口座や定期預金に入れて貯めるなど、工夫してみてください。
また、結婚資金用の共同口座を作るのも1つの方法。毎月一定の金額を決めてふたりで貯金していきます。共通の目標があるので、ふたりで結婚に向けて歩んでいることを実感できるでしょう。
日々の出費を減らす
日々の出費の中に、節約できそうなものがないか見直してみてください。
<食費を抑える>
外食を減らして自炊をしたり、お弁当をつくったりすると食費を抑えられます。また、食材を週1回まとめ買いし、小分けにして冷凍しておくことで出費を減らせることも。ただし、節約ばかりではなく、たまには豪華な食事をするなど、息抜きを忘れないようにしましょう。
<買い物時に本当に欲しいものを見極める>
服、靴、アクセサリーなどは、むやみやたらに購入せず、本当に欲しいアイテムか吟味することが大切です。
<ポイントを活用する>
近年、雑誌での特集も多い「ポイ活」。自分達のライフスタイルに合ったクレジットカードやお店のポイントカードを活用することで、効率的にポイントを貯められます。そのポイントを食事代や買い物代に充てることで、出費を抑えることが可能です。
同棲して結婚資金を貯める
1人の給料で生活し、もう1人の給料を全部貯金に回すなど、同棲しながらふたりで決めたルールに沿って結婚資金を貯めるのも良いでしょう。ふたりとも1人暮らしの場合は、早めに同棲することで、家賃や光熱費、食費などの生活費を抑えられます。また、一緒に自炊したり、家で映画鑑賞したりできるので、楽しみながらデート費用を節約することも可能です。
使わないアイテムを売る
結婚前の同棲で互いの家具や家電が被ってしまった時に、使わない家具をフリマアプリなどで売却し、結婚資金にプラスする方法もあります。同棲をしない場合でも、それぞれ手持ちのアイテムを見直し、使わない物があれば、売却を検討してみてください。
例えば、ハイブランドのバッグやアクセサリーなど、年齢を重ねるにつれて身に着けなくなったアイテムなどを探してみましょう。ヴィンテージのジーンズや初版の本などは、意外な高値がつくことも。趣味・趣向が変わって不要になった物を売って、結婚資金の足しにしてはいかがでしょうか。
結婚後のお金の管理方法
結婚資金だけでなく、結婚後のお金の管理も大切です。家計簿でお金の流れを把握することが、健全な家計運営の第一歩。結婚当初から貯金の仕方を工夫することで、将来に備えられます。今のうちに、結婚後のお金の管理方法もチェックしておきましょう。
家計簿で収支を把握する
世帯全体の収入、現状の貯蓄額、家賃、ローン、生活費などの収支を把握し、無駄な出費を知ることが大切です。保険や通信費は結婚後に見直すと、費用を抑えられる場合もあります。夫婦で同じ情報を共有できる家計簿管理アプリを活用し、ふたりで家計管理を行うのも良い方法でしょう。
自動的に貯金できる仕組みを作る
結婚費用と同様、貯蓄用の口座を作り、先取り貯金をすると確実に貯められます。毎月の貯金額は、給料の2割が目安とされていますが、無理のない金額をふたりで話し合って決めましょう。少額であっても、将来に向けてコツコツと貯金することが大切。天引き貯金(会社の財形貯蓄、銀行の自動積立定期預金)など、毎月自動的に貯金できる仕組みを利用するのもおすすめです。
予備費を貯めておく
予期しない出費に備えることも重要。冠婚葬祭、家電の買い替え、医療費、車の故障など、結婚生活を続ける中で急な出費は意外と多いものです。予備費の口座を別に用意しておくと、毎月積み立てている貯金に手を付けなくて済むでしょう。毎月少額でも良いので積み立てておくと、急な出費があった時に安心です。
結婚資金を貯める方法とコツを理解し、無理なく着実に貯金しよう
結婚資金を貯めるには、目標額と貯金期間を決めて、貯金プランを立てることが大切です。出費を減らし、少しでも多く貯金に回すことが目標達成のポイント。結婚資金を貯める方法とコツを知り、無理のない範囲で着実に貯金して、幸せな結婚をかなえてくださいね。