結婚式の指輪交換が持つ意味とは?挙式スタイルに合わせた取り入れ方や流れも解説
結婚式のセレモニーのなかでもゲストからの注目を集める演出の一つ「指輪交換」。取り入れる際は、指輪交換が持つ意味をまず知ることが大切です。本記事では、結婚式における指輪交換の意味、挙式スタイルごとの流れの他、指輪交換を取り入れる際のコツや注意点について解説します。
結婚式における指輪交換の意味とは?
中世ヨーロッパでの慣習が起源とされる指輪交換には、2つの意味が込められています。ここでは、指輪交換にどのような意味が込められているのかを見ていきましょう。
①永遠の愛の誓いを形にする
切れ目のない指輪の円形は永遠を象徴するもの。指輪の交換には、ふたりの愛を形にして証とするという大きな意味が込められています。
②家同士の絆を深める
新郎新婦の家同士の絆やつながりを深めるという意味があります。指輪は「信頼の証」。その指輪を交換することで、両家のつながりを強くすると言われています。
もともとヨーロッパでは、「愛し合う人同士が一緒になるために結婚する」というよりは、「家同士がつながるために結婚する」という考え方が主流でした。この考えが、指輪を交換する意味のもととなっているようです。
【教会式】結婚式での基本的な指輪交換のタイミングと流れ
指輪交換は中世ヨーロッパのキリスト教式で始まったものであるため、教会式に取り入れられることが多いです。ここでは、教会式で行われる基本的な指輪交換の流れを見ていきましょう。
誓いの言葉の後に指輪交換をする
教会式では、プログラムの中盤くらいにあたる誓いの言葉の後に、指輪交換をするのが一般的。ふたりの愛を形にするという意味合いから、この流れで行われることが多いようです。
流れ①新郎新婦が指輪交換をするために向かい合う
指輪交換の儀式では、まずゲストに背中を見せていた新郎新婦が体の向きをゆっくりと変え、お互いの顔が見えるように向かい合います。新婦は、向き合う前に身に着けているグローブや持っているブーケを介添人に預けましょう。なお、グローブは左手→右手の順番で、落ち着いてゆっくりとはずすのがポイント。この時、婚約指輪はあらかじめ外しておいてくださいね。
流れ②結婚指輪を受け取って着ける
教会式の場合、牧師や神父が指輪を運んできます。新郎は運ばれてきた指輪を受け取り、新婦の指に着けてください。片手で新婦の左手を支え、もう片方の手で薬指にゆっくり押し込むようにして入れるのがコツです。新婦はこの時、左腕に右手を添えて手を差し出すと、より見栄えが良くなるでしょう。その後、同様の手順で新婦が新郎に指輪を着けます。
流れ③指輪交換が終わったら前を向く
お互いに指輪を交換したら、牧師または神父がいる正面を向きます。向き直る前に、新郎新婦がお互いのことを見つめ合えば、ふたりが結ばれた喜びがより溢れてくるでしょう。
【教会式以外】結婚式での指輪交換のタイミングと流れ】
最近では、教会式以外の結婚式でも指輪交換が行われることが多いようです。ここでは、人前式・神前式・仏前式に指輪交換を取り入れる場合のタイミングや流れなどを解説します。なお、神前式や仏前式に指輪交換を取り入れる際は、結婚式を行う会場でできるかどうかを事前に相談してくださいね。
人前式
人前式は縛りが少なく、自由度の高い挙式スタイルです。教会式と同じ流れで挙式を進めるのが一般的で、多くの新郎新婦が誓いの言葉の後に指輪交換を行います。特に制約があるわけではないので、指輪交換のタイミングは自由に決めてかまいません。
また、指輪交換のスタイルそのものも自由に演出できます。例えば、リングボーイやリングガールに結婚指輪を運んでもらったり、リングリレーをしたりするのもおすすめの演出。リングリレーとは、長いリボンに通した指輪を、後方のゲストから新郎新婦の元へ運ぶ演出のことです。これらのようなオリジナルの演出で指輪交換をすれば、会場を盛り上げるきっかけにもなるでしょう。
神前式
神前式は、神社や神殿で神道の神々に誓いを立てる挙式スタイルのことです。会場にもよりますが、指輪交換ができるところが多く見受けられます。なかには、もともと式次第に指輪交換が組み込まれているところもあるようです。
指輪交換は、三三九度の「三献(さんこん)の儀」の後、もしくは誓いの言葉にあたる「誓詞奉読(せいしほうどく)」の後に行われるのがほとんど。念のため、指輪交換をするタイミングについては、事前に相談しましょう。
斎主か巫女が、神前に供えられていた指輪を新郎新婦の元に運び、それを受け取って交換するのが基本的な流れです。新婦は、指輪交換の前に持っている扇子などの小物を預けるか、指定の場所に置くなどしてください。
仏前式
仏前式は、寺院などで仏様に誓いを立てる挙式スタイルで、一般的な式次第の中に指輪交換は含まれていません。その代わり「念珠」(数珠)が授けられ、それをお互いの手にかける儀式があります。これが教会式における指輪交換にあたるものです。
これまで仏前式では、指輪交換が仏教徒には無関係であるとして取り入れられていませんでした。しかし昨今では、時代の変化とともに仏前式でも取り入れられることが増えてきています。仏前式で指輪交換を行う場合は、必ず事前に相談してくださいね。
なお、指輪交換を取り入れる場合は、「念珠授与」の儀式の前後に取り入れられることが多いようです。念珠と指輪の両方を交換するケースもあれば、指輪だけのケースもあります。どちらのスタイルにするかについても事前に相談しましょう。
結婚式で指輪交換をうまく進めるためのコツ&注意点
最後に、結婚式でスムーズに指輪交換を行うためのコツや注意点について解説します。指輪交換はゲストからの注目が集まるセレモニーとあって緊張しがち。結婚式当日、スムーズに進めるためにも、事前に準備をして、ゆっくり落ち着いて行うなど心がけましょう。
ゆっくり指輪を着ける
指輪交換の際は、一つ一つの動作を焦らずゆっくりと行うことを心がけてください。結婚指輪の交換シーンは、結婚式のなかでも特に注目を集めるセレモニー。緊張してしまうかもしれませんが、落ち着いて行うのがポイントです。また、ゆっくり行うことでより美しく見えるだけでなく、写真が撮りやすくなります。
指輪を無理やり押し込まない
新郎新婦の指のサイズに合わせて結婚指輪を用意していても、結婚式当日の体調や結婚式の時間帯によっては、指がむくんで指輪が入りづらいケースも考えられます。万が一指輪が入りづらくでも、無理やり押し込むようなことはしないように注意。第2関節くらいまで入っていれば十分です。
- 事前にハンドクリームを塗っておく
- むくみ防止のためマッサージをしておく
- 指輪を着けてもらう際は、力を入れず関節を曲げる
などの工夫をして、指輪を入れやすくするのもおすすめです。
結婚式の前に練習しておく
指輪がちゃんと着けられるか、事前に確認と練習をしておいてください。練習すれば、着け方がおのずと上達します。また、指輪交換までの流れといった全体の進行について把握しておくことも大切。そうすれば、気持ちに余裕が持て、結婚式や指輪交換のセレモニーに臨めるでしょう。
指輪交換の意味を理解し、自分達らしい結婚式を
指輪交換は、ふたりの結婚の誓いや家同士との結びつきの証となるセレモニーです。もともとは教会式で取り入れられるセレモニーでしたが、最近では人前式・神前式・仏前式などでも取り入れられることが増えてきました。結婚式で指輪交換をする際は、ぜひその意味をしっかりと理解して、自分達らしい結婚式を挙げてくださいね。