ウエディングケーキの概要
結婚式にウエディングケーキを取り入れる人も多いはず。まずは、そもそもウエディングケーキとは何を意味するのか、由来や込められた願いについて解説します。
ウエディングケーキの由来
ウエディングケーキは、ビスケットやパンのかけらを新婦の頭からかけるという、古代ローマの風習が由来です。原料である小麦は子孫繁栄の象徴で、ビスケットやパンのかけらには幸せが宿っているとされています。そして、豊作を意味するブドウなどの果物を取り入れてフルーツケーキへと形を変えたことが、ウエディングケーキの始まりとも言われているようです。
ウエディングケーキに込められた願い
今でこそ数段積み重なったウエディングケーキが主流ですが、この形が定着してきたのは19世紀以降のこと。段ごとには、以下のような意味・願いが込められています。
段数 |
ケーキに込められた意味・願い |
1段目 |
ゲストに向けたケーキ |
2段目 |
参加できなかった人に向けたケーキ |
3段目 |
繁栄などの意味・願いが込められたケーキ |
ウエディングケーキを使った、結婚式演出のおすすめアイディア
ウエディングケーキを使った演出の種類はさまざまです。ここでは、ウエディングケーキを使ったおすすめの演出やそれに込められた由来・意味に加え、演出する際の注意点やポイントについても解説します。
定番の演出として人気が高い【ケーキ入刀】
結婚式における定番の演出と言えるのがケーキ入刀です。新郎新婦が一緒にウエディングケーキをカットするため、ふたりで初めての共同作業などと言われることも。ふたりが1つのパンを分け合って永遠の愛を誓った、というギリシャ神話が由来ともされています。
ケーキ入刀に新郎新婦の親も参加してもらう場合は、ケーキを複数用意して、ダブルカット・トリプルカットするという演出もおすすめです。また、参加しているゲストとの交流の時間を大切にしたい場合は、各卓にケーキを準備して、それをカットしながら回るのも良いでしょう。
ケーキ入刀の瞬間はどうしても真剣になりがちです。結婚式の中でも見せどころのシーンですから、笑顔を心がけてくださいね。
お互いにケーキを食べさせ合う【ファーストバイト】
ファーストバイトは、新郎新婦がカットしたケーキをお互いに食べさせ合う、ウエディングケーキ入刀後の定番演出。「悪魔が嫌いな甘いものを食べて魔除けをする」という、古くからの欧米文化における言い伝えが由来です。また、お互いに食べさせ合うことで、新郎から新婦へは「一生食べ物に困らせない」、新婦から新郎へは「美味しい料理を作り続けます」という、それぞれの誓いの意味も込められています。
ファーストバイトで使う道具は人それぞれです。普通のスプーンではなく、大きなスプーンやスコップ・しゃもじなどを使うと、より会場が盛り上がりますよ。
食べさせ合うのは意外と難しいものです。食べる側はあごを上げずに、正面を見ながら口を開けます。一方食べさせる側は、スプーンを口の上方向から向けるのではなく、まっすぐ相手の口に向けるようにしましょう。
新郎新婦の手で仕上げる【カラードリップケーキ】
カラードリップケーキとは、新郎新婦がウエディングケーキにソースをかけて完成させる、オーストラリアのシドニーが発祥の演出です。ケーキ入刀に代わる演出で、「初めての共同作業」を意味します。生クリームで真っ白なケーキが、カラフルな色のソースに染まる様子が印象的。写真映えするだけでなく、かける前と後での変化を楽しめるので、ゲストの注目を集められるでしょう。
器に入ったソースをすべてケーキにかけてしまうと、ケーキがソースの色1色になってしまうこともあります。ソースをかけ過ぎないよう、量に十分注意してください。
感謝の気持ちを伝えられる【サンクスバイト】
ゲストの中からお世話になった人・友人などを指名して、新郎新婦がその人達にウエディングケーキを食べさせる演出です。指名する人に決まりはありませんが、一番多いのは親へのサンクスバイト。「今まで美味しいご飯を作ってくれて、食べさせてくれてありがとう」「今まで育ててくれてありがとう」という、感謝の気持ちや子育てから卒業する意味が込められています。
サプライズで行えば、ゲストが構えることもないので負担をかけません。また、会場が盛り上がるきっかけにもなるでしょう。
親からの子どもへのお返し【ラストバイト】
ラストバイトとは、親が新郎新婦にケーキを食べさせる演出のこと。「親から子どもへの最後の食事」「これからは自分達で食べていくように」という子育ての卒業・親離れを意味する、感動的なワンシーンです。ファーストバイトのときと同様、大きなスプーンを使うなど、面白さをプラスすれば会場が盛り上がります。
ラストバイトには、サンクスバイトのお返しという意味合いもあります。そのため、親に対してサンクスバイトを行った場合は、ラストバイトとセットで行うのも良いでしょう。もちろん、ラストバイトのみの演出でも構いません。
海外で人気の演出「ラッキードラジェ」
上で紹介した演出の他にも、海外で人気の「ラッキードラジェ」という演出もおすすめです。ここでは、「ラッキードラジェ」の概要と魅力について迫ります。
「ラッキードラジェ」とは
「ラッキードラジェ」とは、アーモンドに砂糖がコーティングされた楕円形のお菓子・ドラジェを、披露宴で出されるケーキなどのデザートに隠す演出のことです。ドラジェが入っているケーキを当てたゲストがスピーチや余興をしたり、または新郎新婦からプレゼントを渡されたりします。
もともとは欧州で行われていた風習です。インゲン豆を入れていたのが起源ということもあり、「ラッキービーンズ」と言われることもあります。「ラッキードラジェ」を取り入れる場合は、通常よりも少し早いタイミングでゲストにデザートを出しましょう。
「ラッキードラジェ」の魅力①ゲストが参加できる
「ラッキードラジェ」は、「ラッキービーンズ」の他に「スウィートサプライズ」とも言われ、ゲストへのサプライズ演出としてはぴったり。また、ゲスト一人一人が主体となるゲスト参加型の演出なので、参加できない人は誰一人としていません。みんなでドキドキしながら楽しめるという点においては、ゲストへのおもてなし演出としてもおすすめです。
「ラッキードラジェ」の魅力②縁起が良いとされるジンクスがある
ドラジェの材料であるアーモンドは、「不滅の愛」「子孫繁栄」という意味があります。そのため、ヨーロッパでは結婚式などのお祝い事には欠かせないものでした。
また、ドラジェが入ったケーキを当てた人には幸せが訪れる、という言い伝えもあります。それにちなんで、ゲストに配るケーキのうち5つにドラジェを入れるのが人気。「5」が選ばれるのは、イタリアで「5」という数字が「幸福」「健康」「長寿」「富」「子孫繁栄」を表すとされているためです。
ウエディングケーキの演出を工夫し、自分達らしい結婚式に
ウエディングケーキを使った演出は、ケーキ入刀やサンクスバイトなどさまざま。それぞれの演出に込められた意味などを知ることも大切です。ウエディングケーキを演出に取り入れる際は、ケーキのデザイン・演出の方法に工夫を凝らし、自分達にとってもゲストにとっても思い出深い結婚式にしてくださいね。