新郎謝辞の構成と文例を紹介!挨拶で使ってはいけない忌み言葉も
新郎謝辞とは、結婚式に参列してくれたゲストに向けて行う新郎からの挨拶。結婚式のラストを飾る挨拶なので、今から緊張してしまうという新郎も多いのではないでしょうか。しかし、基本の構成を把握した上で、ゲストへの感謝の気持ちを込めれば、決して難しい挨拶ではありません。本記事では、基本的な構成と文例とともに、押さえておきたいポイントを紹介します。
新郎謝辞とは?
主賓となるゲストや友人の挨拶など、結婚式では場面ごとにさまざまなスピーチがあります。その1つが、披露宴の終盤に行われる新郎謝辞です。タイミングや流れなど、新郎が行う挨拶について確認していきましょう。
ゲストへお礼を伝える大切な時間
新郎謝辞は披露宴を締めくくる挨拶であり、ゲストへ感謝を伝えます。以前は新郎の父が謝辞を述べることが多かったのですが、昨今では新郎もスピーチすることが増えてきました。
新郎謝辞への流れと時間
一般的な披露宴における新郎謝辞への流れは、「花嫁の手紙」の朗読の後、親への花束・記念品贈呈へと進み、披露宴の最後の締めくくりとして新郎からゲストへのお礼の言葉を述べます。新郎謝辞の時間は3分~5分程度。文字量に換算すると、600〜1,000文字程度が目安になります。
新郎謝辞の一般的な構成
ゲストへ伝えたいことはたくさんあるけれど、整理がつかない人もいるのではないでしょうか。しかし、新郎謝辞は基本的な構成をしっかりと把握すれば難しくありません。大きく分けて「導入」「本題」「結び」の3部構成を意識します。それぞれに盛り込む内容を見ていきましょう。
導入
最初に、ホストである新郎新婦を代表して参列してくれたゲストへ感謝の気持ちを伝えます。スピーチや余興などをしてくれた方へ向けた、感謝の想いも述べると良いでしょう。その際、結婚式当日のエピソードを振り返り、それを挨拶に盛り込めると、よりスマートな印象になります。
本題
メインとなる本題では「今後どのような結婚生活を送りたいのか」といった抱負を述べます。新郎新婦のエピソードなども交えて、将来に向けた目標を語りましょう。
結び
締めとなる結びでは、今後も末永いお付き合いをしていただくためのお願いをします。締めの言葉はできるだけシンプルにまとめるのが良いでしょう。「ご指導ご鞭撻を…」というような決まり文句でも構いません。最後は、「本日は誠にありがとうございました」など、感謝の気持ちで締めくくるようにします。
【披露宴のタイプ別】そのまま使える新郎謝辞の文例
新郎謝辞は、披露宴のタイプによって言い回しを変えると良いでしょう。ここでは、フォーマル、アットホーム、少人数と、披露宴のタイプ別に3パターンの挨拶例文を紹介します。
職場の人が多いフォーマルな結婚式
【導入】
本日は、ご多用の中、ご参列いただき誠にありがとうございました。このように結婚式を執り行うことができたのも、ひとえにみなさまのおかげでございます。心から感謝を申し上げます。また今日という日を支えて頂きました結婚式場のみなさまにも、この場を借りてお礼申し上げます。
【本題】
会社のみなさま、今後は一家の大黒柱として、より一層気を引き締めて業務に臨む所存です。これからもご指導のほど何卒お願い申し上げます。
友人のみなさま、愛溢れる素敵な余興をありがとうございました。仲間の素晴らしさを改めて感じました。これからもお互いが助け合える関係として、変わらないお付き合いをよろしくお願いします。
親族のみなさま、小さな時から良くしてくださり、大変感謝しています。今後も私達を温かい目で見守っていただければ幸いです。
【結び】
今後は互いに協力し、悲しいことは半分に、楽しいことは倍にして、夫婦の絆をさらに深めていきます。今後ともご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いいたします。
最後となりましたが、ご列参列頂きましたみなさま方のご健康とご多幸をお祈りいたします。
本日は誠にありがとうございました。
友人中心のアットホームな結婚式
【導入】
本日は、私達のためにお越し頂きまして、本当にありがとうございました。みなさまから激励や祝福の言葉をいただき、友達っていいなと心の底から感じた一日でした。
【本題】
この日を迎えるまで、多くのことがありました。これまであった曲折はみなさまが知っている通りです。その度に私達を見守り、励まし慰め、時に真剣に叱ってくれた友人には、感謝しきれません。みんなの支えがなければ、この幸せな日は迎えられなかったと思います。本当にありがとう!
【結び】
これからは○○○さんと一緒に支え合いながら、人生を歩んでいきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
本日はありがとうございました。
親族・家族だけの少人数の結婚式
【導入】
本日は私達ふたりのためにお集まりいただきありがとうございました。大切な家族に見守ってもらいながら、無事に結婚式を挙げられたこと、胸をなでおろしています。
【本題】
○○○さんのお父さん、お母さん、これからは私が○○○さんを大切に守り、毎日笑顔の絶えない温かい家庭を築いていきます。父さん母さん、今まで育ててくれてありがとう。ふたりのようにお互いを支え合える夫婦になることが目標です。
【結び】
これからもご迷惑をおかけすることもあると思いますが、少しずつ成長し、みなさまに恩返しできればと思っております。今後も引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
本日は誠にありがとうございました。
結婚式の新郎謝辞で避けたい言葉&ポイント
慶事である結婚式では、避けなければならない言葉が多数あります。それは、不吉や不幸を連想させる忌み言葉と、再婚や悲しいことを連想させる重ね言葉です。それぞれ事例とともに解説します。
忌み言葉と重ね言葉は避ける
日常で何気なく使っている言葉も、結婚式にはふさわしくないものもあります。以下のような言葉に注意しながら挨拶の内容を考えましょう。
忌み言葉の種類 |
例 |
不吉・不幸な言葉 |
悲しい、負ける、苦しい、忘れる、衰える、病気、色あせる、滅びる、亡くなる など |
別れを連想する言葉 |
離れる、切れる、去る、終わる、別れる、割れる、壊れる、捨てる、なくす など |
重ね言葉 |
重ね重ね、たびたび、重々、しばしば、くれぐれも、いろいろ など |
忌み言葉は言い換えるようにする
エピソードを語る上で忌み言葉が出てきてしまった場合は、以下のように言い換えるようにしましょう。
- 試合に負けた→試合に勝てなかった
- 気が弱い→優しい性格
また、重ね言葉は何気なく使ってしまうため注意してください。例えば「いろいろありがとう」は「いつもありがとう」と言い換えます。
新郎謝辞を成功させる話し方のポイント
新郎謝辞は、スピーチの仕方ひとつで印象が大きく異なります。話し方のコツやカンペの使用可否など、スピーチを成功させるためのポイントを押さえておきましょう。
話し方やテンポ、身振りを意識する
挨拶で意識すべきポイントは、話すスピードと姿勢です。早口だったり、目線が挙動不審だったり、身体が揺れたりすると、ゲストに緊張していることが伝わってしまいます。
新郎謝辞を成功させるには、普段よりゆっくりとしゃべるよう意識することが大事です。はっきりと発音し、明瞭にスピーチをしましょう。余裕がある場合には、話し方に緩急をつけると様になります。
カンペを使っても問題なし
結婚式当日は、お酒で少し酔ったり緊張したりして、新郎挨拶の内容を忘れてしまうかもしれません。そういった事態に備えて、暗記できている場合でもカンペをポケットに忍ばせておくと安心です。
また、暗記ができない場合は、カンペを見ながらスピーチをしても問題ありません。ただし、最後の「本日はありがとうございました」というセリフの時にはカンペをしまい、ゲストへ目線を向けて挨拶することが大事です。
結婚式当日の新郎謝辞で感謝の気持ちを表現しよう
新郎謝辞は結婚式の最後を飾る大切な演出であり、心からの感謝をゲストへ伝えられる場面です。一見大変そうなスピーチですが、基本構成をつかめばそれほど難しいことはありません。結婚式のフィナーレにふさわしいスピーチで、素敵な一日を締めくくってくださいね。