結納返しとは?地域別の形式や相場、渡すタイミングを解説
結納返しとは、男性側からの結納に対して女性側がお返しする儀式です。関東式・関西式など地域によって準備する物が異なり、最近では略式で行われるケースも増えています。今回は、結納返しの地域別の形式や相場、よく選ばれている品物を解説します。また結納返しのタイミングや、結納返しをしないケースについても紹介します。
結納返しとは?
婚約結納返しとは、結納の際に男性側から贈られた結納品や結納金に対して、女性側がお礼をお返しする儀式のこと。結納は両家とのやり取りなので、結納返しを誰が払うのかは、結納金を受け取った女性側の家になります。気を付けたいのは、結納返しは結納品よりも豪華にならないようにすることです。
結納返しには、結納返し品一式や現金、品物を贈るなどの方法があります。地域の習わしや両家の考え方によって結納の考え方も違い、結納をどのように行ったかによって、結納返しの方法も異なります。
結納についての記事はこちらをチェックしてください。
正式な結納返しの行い方
結納返しには、地域別に大きく分けて「関東式」と「関西式」があります。ここでは、「関東式」と「関西式」のそれぞれのやり方を紹介します。
関東・関西で異なる結納返し
そもそも、結納の方法が関東と関西では異なります。どのように結納を行うかによって結納返しへの考え方も変わってくるので、事前に確認するのが無難です。
①関東式:結納品は関東式9品目+結納金。双方が結納品を交わします。つまり「女性から男性への結納品・結納金=結納返し品」という認識もできます。
②関西式:結納品は関西式7品目+結納金。男性側だけが女性側に納めます。女性から男性への結納品・結納金という概念は存在せず、代わりに女性から男性へ結納のお返しとして女性から男性へ贈る「結納返し」という概念が存在します。
関東式の結納返しは「半返し」
関東式の結納返しは、「半返し」と言われ、結納金の半額程度のお金または品物を用意するのがしきたり。ただし最近は1割程度にするケースもあります。どちらにしても結納品よりも少し控えめのものを選ぶのが良いとされています。
品飾り |
概要 |
目録 |
結納返しの品目 |
御袴料 (おんはかまりょう)
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結納金「御帯料」に相当(お金またはスーツなど) |
末広 (すえひろ)
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一対の扇子(「末広がり」を意味する) |
熨斗 (のし)
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干しあわび模したもの(「長寿不老」を意味する) |
家内喜多留 (やなぎだる)
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酒料・肴料 (昔は酒樽だったが、現在は現金を包むのが一般的。家庭円満の願いが込められている)
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寿留女 (するめ)
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スルメ(「噛めば噛むほど味が出る夫に」を意味する) |
子生婦 (こんぶ)
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昆布(子孫繁栄、子だくさんの象徴) |
友白髪 (ともしらが)
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白髪を模した白い麻糸(「白髪が生えるまで夫婦円満に」を意味する) |
勝男武士 (かつおぶし)
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鰹節(武運長久の縁起物) |
関西式の結納返しは「1割返し」
関西式の結納は「納める」という考え方があり、結納返しは1割程度、もしくは行われないのが一般的です。ただし、結納返しをするケースもあるため両家で確認を取り合いましょう。
- 熨斗(のし)
- 末広(すえひろ)
- 御袴料(おんはかまりょう)
- 肴料(さかなりょう)
- 酒料(さけりょう)
略式の結納返しの行い方
略式で結納が行われる場合は、結納返しも上記で述べたような正式な方法ではなく、略式になります。略式の結納返しは、品物の数を減らし「熨斗・御袴料・末広」の3点とするのが一般的です。これに「肴料・酒料」を加える場合もあります。
御袴料(現金)をスーツや腕時計などの品物に代える場合は、「目録」に品名を書きます。また、結納返しに「品飾り」をそろえて贈るのではなく、品物(腕時計・スーツなど)だけをお返しするケースも増えているようです。
結納返しをしないケースとは?
結納金の目的が多様化していることや両家の考え方を優先することなどから、「結納返しをしなかった」というカップルも増えています。関東式の場合、結納金の半額を現金でお返しするという習慣があるため、結納の際に最初からその半分を引いた額を結納金とし、その代わり結納返しはしないというケースも多いようです。
その理由として、「結婚式のための資金として結納金を準備してもらったから」、「結納金で家具家電を買うことにしたから」、「お互い事前に記念品を贈りあっていたから」などがあります。両家が合意する形で行うことが大切です。
結納返しの相場は?
結納金は、現金で贈るケースと品物で贈るケースがあります。「ゼクシィ 結婚トレンド調査2023調べ」を基にそれぞれの相場をチェックしてみましょう。
現金で結納返しをするときの相場
「ゼクシィ結婚トレンド調査2023」によると、結納返しで現金を贈った人のうち、全国平均は36万4,000円です。最も多いのが50万~60万円未満で、次に多いのが10万~20万円未満。首都圏が最も金額が高く、各地域によって金額の差が大きいのが特徴です。
品物で結納返しをするときの相場
結納返しで品物を贈った人のうち、その品物の平均金額を見てみると、全国平均は24万9,000円です。一番多いのが10万~15万円未満、次が5万~10万円未満、そして30万~35万円未満と続きます。品物でお返しする場合の金額も、地域によってばらつきが大きいので、地元の習慣や相場を確認して両家で決めましょう。
結納返しで選ばれる品物4選
結納返しの品物は、男性が身に着けるものを中心に選ばれているようです。具体的にどのようなものが選ばれているのかを見ていきましょう。
1. 腕時計
腕時計は結納返しの品物の定番アイテム。全国の割合を見ると41.6%と半数近くが腕時計を選んでいます。「いつも身に着けていられる」「実用性が高い」「長く使える」などが選ばれている理由のようです。さまざまなデザインがあり、価格帯も広いので選びやすいのも支持される理由でしょう。
2. スーツ
次に選ばれているのが、スーツ で23.1%。「御袴料」とはもともと袴を仕立てるためのお金でした。現在は仕事やフォーマルなシーンで着用する礼服を仕立てることが多いようです。
3. 財布・カバン・スーツ用小物
カバンや財布、オーダー靴といった仕事や日常で使える品物、ネクタイピン、カフスなどスーツ着用時に使う小物なども選ばれています。予算を見てスーツとセットで贈るのも素敵です。
4. 電化製品
最近では電化製品を選ぶカップルも少しずつ増えています。せっかくならふたりの新生活に役立つものを選びたいということが理由のようです。ただし、結納返しは男性側へのお礼といった本来の趣旨から外れるため、事前に両家で相談して決めるようにしましょう。
結納返しのタイミングは?
結納返しは、当日や後日、新居への荷物運びの日など主に3つのタイミングで行われています。いずれも、両家で話し合いをすることが望ましいです。それぞれのパターンを見てみましょう。
1. 結納後に日を改めて行う
正式な結納返しの場合は、結納後に日を改めて行います。明確な決まりはありませんが、結納後から結婚式の2,3週間前までに両家の都合の良い日を選んで行われます。
2. 結納当日に行う
結納を交わすふたりが共働きであることや、両家が離れた場所にあるなどの理由で、最近は結納と同日に済ませるケースも少なくありません。結納返しの品などは結納よりも控えめにする必要があるため、事前に確認しておくと安心です。
3. 新居へ荷物を運び入れるときに行う
ふたりが新居に入居するタイミングで、結納返しをするカップルもいるようです。嫁入り道具を運び入れるのと同時に済ませることができます。日程を新たに設ける手間が省けますが、結納返しの儀式がおろそかになる可能性があるので注意しましょう。
両家で話し合って結納返しを行おう
結納返しの形式は、関東式・関西式など地域によって異なります。最近は略式の結納が増え、結納返しの飾り品の数を少なくしたり、または品物だけを贈るようにするケースもあります。品物には腕時計やスーツなどが選ばれているようです。結納の際にお返し分を差し引いておき、結納返しをしないカップルも。いずれにしても、結納も含め両家でどのような形でするかを話し合って準備を進めましょう。
結納返しを済ませたら、結婚式の準備を始めるカップルもいるでしょう。アルカンシエルでは、プロフェッショナルなスタッフがおふたりの想いや価値観を丁寧に伺って結婚式をプランニング。結婚式の準備中も常におふたりの気持ちに寄り添い、最高の1日を創り上げるお手伝いをいたします。不安なことがあれば、ぜひお気軽にご相談くださいね。